無料Wi-Fiが至る所で利用できる現代、カフェ、空港、ホテルなどで「無料」の便利さが提供されていますが、その便利さの裏には予期しないリスクが潜んでいることもあります。特に、ハッカーがフィッシングやサイバー詐欺の手法を使って、あなたの個人情報を盗み取ることがあります。
カフェや空港の無料Wi-Fiは簡単に接続でき、便利ですが、この便利さにはリスクもあります。公共のWi-Fiネットワークはしばしば安全ではなく、悪意を持った第三者が私たちの情報を盗み取ることができます。特に暗号化がされていない場合は、そのリスクが高まります。たとえば、パスワードなしで接続できるオープンなネットワークに接続した場合、ハッカーは「フィッシング」技術を使ってインターネット経由で送信される全ての情報を読み取ることができます。このような手法により、あなたのメールアドレス、パスワード、クレジットカード情報など、重要な情報が犯罪者の手に渡る可能性があります。
📩 フィッシング詐欺とは？
フィッシングとは、偽のウェブサイトやメール、ログイン画面などを使って、パスワードやクレジットカード番号などの重要情報をだまし取る手口です。無料Wi-Fiに接続中にこうした偽ページを表示させることは、ハッカーにとって決して難しいことではありません。
🔐 よくある手口
1. 偽のWi-Fi（Evil Twin）＋ フィッシング
本物そっくりのネットワーク名（例：”Cafe_WiFi_Free”）を使った偽のWi-Fiに接続させ、ログインページを装った偽サイトへ誘導。見た目は銀行やメールサービスそのもので、知らずにパスワードを入力してしまうと、その情報はハッカーの手に渡ってしまいます。
2. 広告やポップアップからの誘導
Wi-Fi使用中に表示されるポップアップ広告に「アカウントの確認が必要です。こちらをクリック」といった文言が。
リンク先は実際のサイトと見分けがつかないほど巧妙に作られた偽サイトで、URLも本物そっくり（例：yourbank-login.comなど）です。
📲 パスワードや個人情報の流出リスク
Wi-Fiを通じて通信が傍受されると、メールのパスワード、銀行アカウント、クレジットカード番号など、大切な情報が流出する可能性があります。さらに、たとえ入力しなくても、マルウェアが端末に侵入し、デバイスの情報を盗んだり、遠隔操作されたりするリスクもあります。
📌 実際にあった：日本でのWi-Fi経由ハッキング事件
日本の金融庁（FSA）によると、2024年2月以降、オンライン証券口座が不正アクセスされた件数は少なくとも1,454件、被害額は約1,000億円（約7億ドル）にも上ります。多くのケースで使用された手口が「フィッシング詐欺」。偽のリンクやサイトでログイン情報を盗み取り、ログイン後は被害者の株式を勝手に売却し、その資金で中国株などを購入するという手口です。この影響で、野村證券・SMBC日興証券・SBI証券などの大手証券会社は、顧客への補償とともに、セキュリティ対策の強化に追われています。
🛡 公共Wi-Fi利用時のセキュリティ対策
✔ VPN（Virtual Private Network）の利用
VPNを使用することで、通信内容が暗号化され、ハッカーに読み取られるリスクを大幅に減らすことができます。
✔ 自動接続をオフにする
デバイスが勝手にオープンネットワークに接続しないように設定しましょう。接続前には必ずネットワーク名を確認してください。
✔ 重要なアカウントへのログインを控える
公共Wi-Fi利用中は、銀行アプリや重要なサービスへのログインを避けるのが無難です。
✔ ネットワーク名（SSID）の確認
本物のWi-Fiかどうか、名前のスペルをしっかり確認してください。紛らわしい名前やスペル違いのネットワークは要注意です。
✔ 二段階認証（2FA）を有効に
たとえパスワードが盗まれても、2FAを設定しておけば第三者がアカウントにログインするのは困難です。
✔ ログアウトとWi-Fiのオフ
使用後はログアウトし、Wi-Fi接続もオフにしましょう。不要な接続を避けることで、リスクを減らせます。
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